温暖化も氷河期突入も避ける方法
(コペンハーゲン大学ニールス・ボーア研究所より)
デンマークのコペンハーゲン大学ニールス・ボーア研究所は2月11日、化石燃料燃焼による炭素排出量を抑制することで、次の氷河期突入時期を大幅に遅らせることができる可能性があると発表した。同研究所の最新研究によるもので、結果は、科学雑誌『地球物理学研究レター』(Geophysical Research Letters)に掲載されている。
このたびの研究報告「地球温暖化を抑制し氷河期突入を避けるための化石燃料長期管理」(Long time management of fossil fuels to limit global warming and avoid ice age onsets)で、ニールス・ボーア研究所のゲイリー・シェイファー教授を始めとする研究チームは、今後50万年の間、地球が「温室」にも「貯氷庫」にもならないようにする方法をまとめた。
研究によると、採掘可能な化石燃料(トータルで炭素換算5兆トン)を燃焼する「これまでどおりのやり方」で進んだ場合、今後数百年で現在より約5℃気温が上昇することがわかった。このシナリオだと、次の氷河期突入は今から17万年後となる。しかし、世界の化石燃料使用量が2020年には20%、2050年には60%(いずれも1990年比)減っているように化石燃料を管理すれば、気温上昇は最大で現在より1℃未満となり、現在の安定した間氷期は、「これまでどおりのやり方」に比べて3倍の約50万年先まで持続することがわかった。
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090310_1.html?rf=rss
欧州の新たな気候対策戦略は「途上国にプレッシャーを」?
(世界自然保護基金より)
ベルギー、ブリュッセル発─欧州各国の環境大臣は3月3日、2009年12月にコペンハーゲンで開催される国連気候変動会議に向けた提案を協議したが、気候変動対策における行動では先進国が主導するという国連合意から身を引こうとしているようだ。
欧州連合(EU)環境協議会での会合で、途上国に対し2020年までに温室効果ガスを1990年比で15~30%削減するよう求めながら、欧州の削減目標については1990年比で30%にすべきところを20%に設定したにとどまったのだ。
多くの途上国に対し拘束力のある排出量上限の設定を検討するよう求める一方、その他の途上国にも2012年までに低炭素開発に向けた計画の詳細を策定するよう求めた。しかし、それらの計画作りで支援するのは後発開発途上国に限定するとした。市場の力を過信しているEUの環境大臣はまた、途上国におけるクリーン技術開発支援の具体案も出さなかった。
「EUはこれまでずっと途上国の排出削減を支援することで合意してきたのに、今日の提案は取るばかりで与えるものがほとんどない」と世界自然保護基金(WWF)UKの気候変動国際政策アドバイザーのキャサリン・ワッツは話している。
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090309_1.html?rf=rss
2009年は炭素隔離関連業界にとって極めて重要な年に
(エマージング・エナジー・リサーチより)
米国、マサチューセッツ州ケンブリッジ発─再生可能エネルギー部門のアドバイザリー企業、エマージング・エナジー・リサーチ(EER)は2月12日、石炭火力発電所から排出される温室効果ガスの回収・貯留(CCS)事業の商業化を模索している世界中の企業にとって、2009年は極めて重要な年になる、と結論付ける調査結果を発表した。
それによれば、現在、西欧、米国、カナダ西部、オーストラリアを中心に、世界中で120近くの炭素隔離プロジェクトが展開中で、これらの実証事業が成功して政府の助成金支給対象になれば、この業界は2016年まで順調に規模を拡大していくという。
また、すでに200億ドル以上が大規模CCS実証事業用支出として割り当てられており、欧州、米国、カナダにおいては景気刺激策の一環として、2009年にさらなる予算増加が見込まれている。このような公的資金投入によって、30以上の大規模CCS事業の支援が可能になるという。
CCSを国のエネルギー政策の鍵となる技術に位置付ける国は増えている。増大する発電需要を満たしながら炭素規制に対応する手段として石炭火力発電所を残したいという願望が強い米国などの国々は、向こう5年でCCS事業を成長軌道に乗せようとしているという。
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090308_1.html?rf=rss
ロンドン市、市民の食に関するカーボン・フットプリントを調査
(ロンドン市より)
ロンドン市は2月20日、市民の食事から排出される温室効果ガスについて、初めて調査・検証した報告書、「ロンドン市食品部門の温室効果ガス排出量(London's Food Sector Greenhouse Gas Emissions)」を発表した。これにより、ロンドン市民全体の食事の量が年間80億食にも上り、1,900万トン近くの温室効果ガスを排出していることが明らかになった。
報告書によると、食品部門で排出される温室効果ガスの78%は、製造時やロンドンまでの製品輸送時など、ロンドン以外の場所で発生し、22%がロンドン市内で、店舗やレストランへの出荷、保管、調理、食事、食品の廃棄が行われる際に発生している。なお、市民は購入した食品の1/3を廃棄しており、食品廃棄物からの温室効果ガスは、630万トンに上るとみられている。
「私たちは、食材が食卓に上るまでのことを、あまり気に掛けていませんが、不必要に環境に負荷を与えている要素はいくつもあります。この報告書は、私たちが変化を起こすために、どのような対策を打てるかを示すものです」と、ロンドン食料委員会(London Food)の委員長を務めるロージー・ボイコット氏は語る。
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090307_1.html?rf=rss
インドネシア政府、国内最後の泥炭地破壊を容認
(国際湿地保全連合より)
オランダに本部を置く環境保護団体、国際湿地保全連合は2月19日、インドネシア農業省が、貴重な泥炭湿地林でのパーム油農園開発を許可する省令を公布したという驚くべきニュースを伝えた。
この省令は、パーム油農園開発による、炭素排出、生物多様性、頻発する洪水被害への影響をないがしろにするもので、同地域の豊富な炭素と生物多様性の保護を目指す、欧州連合(EU)、持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)、国連気候変動会議、生物多様性条約の動きとは相反するもの。
RSPOは、パーム油生産のために排水された泥炭地から発生する温室効果ガスについて調査し、泥炭地におけるパーム油農園開発は行わないとの方針を示している。また、バイオ燃料の使用に関するEU指令では、泥炭地で生産されたバイオ燃料は使用しないと規定している。
国際湿地保全連合は2006年に調査を行い、泥炭地で生産されたパーム油は、最終的には化石燃料の使用に比べ3倍から10倍の二酸化炭素を排出すると結論づけた。しかし、同国農業省は、その科学的な根拠が示されていないとして、省令の正当性を主張している。
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090306_1.html?rf=rss
豊かな国々の隠れた排出--中国のCO2増加の半分は輸出品製造のため
(気候環境研究センターより)
気候環境研究センター(CICERO:Center for International Climate and Environmental Research - Oslo)は2月24日、中国の二酸化炭素(CO2)排出量が、2002年から2005年に45%増加し、その半分は輸出品製造によるものだとし、さらにそれらの製品の60%は西側諸国に輸出されたとする研究を伝えた。
英ケンブリッジ大学、CICERO、米カーネギーメロン大学、英リーズ大学の研究者らによると、中国の家庭消費による増加分は7%に過ぎないという。豊かな国々は途上国の排出量増加を促す一因となっている。しかしながら、このことは国際交渉の中では考慮されていない。
気候変動に関する国際的取り決めでは、輸出や輸入によっていかに排出量が国境を超えるかについては明確にしておらず、京都議定書でも、それぞれの国が自国内の排出に責任を持つことになっている。自国内で排出量を削減しても、輸入量を増やすことで他国の排出量を増やしてしまうことは、「カーボンリーケージ」として知られている。
CICEROの研究者グレン・ピーターズ氏は、「京都議定書を全面改訂する必要はないが、カーボンリーケージと競争力の問題に取り組む方策を盛り込んでいくことはできる。例えば、輸入品の消費も対象に含めた付加価値税のような形態の炭素税も可能だ」と語る。
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090305_1.html?rf=rss
研究報告:気候変動による漁業への脅威により最も困難を抱える国の経済
(世界魚類センターより)
マレーシア、ペナン島発-世界魚類センターらは2月6日、気候変動がサンゴ礁を破壊し、塩水を淡水生息地に侵入させ、沿岸地域での暴風雨を発生させる恐れがあることから、アフリカ、アジア、南米の漁業に依存する国々で奮闘する多くの人々が、前例のない困難に直面する可能性を示す研究報告書を発表した。
2月号の「魚類と漁業(Fish and Fisheries)」という査読つき雑誌で発表された同研究は、世界魚類センター、イースト・アングリア大学(英国)、サイモンフレーザー大学(カナダ)、環境・漁業・養殖科学センター(the Centre for Environment, Fisheries and Aquaculture Science: CEFAS、英国)、ブレーメン大学(ドイツ)、メコン河委員会(カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム)の科学者チームによるもので、気候変動が漁業に与える影響に「非常に脆弱な」国々を初めて識別した。
研究者チームが、環境、漁業、食事、経済の要因にもとづいて、132カ国の経済を調査したところ、温暖化が漁業にもたらす影響に最も経済的に脆弱な国々として、アフリカ沿岸及び内陸部の国々(マラウイ、ギニア、セネガル、ウガンダなど)、アジアの熱帯に位置する4カ国(バングラデシュ、カンボジア、パキスタン、イエメン)、南米の2カ国(ペルー、コロンビア)が挙げられた。
非常に脆弱と見なされた33カ国のうち19カ国が、特に貧しい社会経済的状況により、すでに国連の「後発発展途上国」に指定されている。
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090304_1.html?rf=rss
研究報告:化石燃料による排出量の1/5を熱帯林が吸収
(リーズ大学より)
原生林の熱帯樹種が過去40年間で大きくなり、化石燃料の燃焼で放出される二酸化炭素(CO2)の約1/5を吸収していることが、英国リーズ大学のシモン・ルイス教授らの国際研究チームによって明らかになった。同大学が2月18日に発表した。
研究チームは、40年間にわたり、アフリカ熱帯林79カ所で合計7万本以上の樹木の高さや葉の密度などを定期的に観測、そのデータを元にアフリカの全熱帯林にある樹木に吸収された炭素量の変化を計算した。そしてアフリカの原生林が、少なくとも過去数十年間において、これまで考えられてきたよりも毎年1ヘクタールあたり0.6トン多く炭素を吸収していたことを突き止めた。
研究チームはその後、アフリカのデータを使って、南米やアジアの熱帯林にある樹木25万本よる吸収量も分析した。その結果、これまで知られていなかったアフリカ熱帯林による吸収量12億トンを含め、世界の熱帯林は毎年48億トン(化石燃料燃焼による排出量の約18%)のCO2を吸収しており、地球にとって重要な炭素吸収源であることが明らかになった。
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090303_1.html?rf=rss
研究報告:海面上昇は予測よりも高くなる
(オレゴン州立大学より)
米国オレゴン州コーバリス発─将来、地球温暖化によって西南極氷床が崩壊したら、米国や他の国々における海面上昇は現在予測されているよりもかなり高くなる、と結論付けるオレゴン州立大学などの研究論文を同大学が2月5日に発表した。
現在の海面上昇予測値は世界で平均16~17フィート(約488~518センチメートル)とされているが、この数字には、崩壊時の重力、巨大な氷床が乗っている陸塊の跳ね返り、それによって地軸が約1/3マイル(約533メートル)ずれて発生する地球の自転の変化などが考慮されていない。これらを考慮すると、海面はおよそ21フィート(約649センチメートル)上昇することになり、米国ではワシントンDCや沿岸地域の多くが水面下に沈み、フロリダ南部の大部分が消滅するという。
「西南極氷床の崩壊が目前に迫っているわけではないが、海面上昇対策では上昇値を少し高めに設定しておかないと大変なことになる、ということを今回の研究結果は示している」と同大学のピーター・クラーク教授(地球科学)は話している。
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090302_1.html?rf=rss
バイオ燃料に関して賢明な選択を--シエラクラブ、ワールドウォッチ研究所報告書
(シエラクラブより)
米国、ワシントンDC発―シエラクラブとワールドウォッチ研究所は2月18日、バイオ燃料の利用促進を進める米国の取り組みに対して政策改革が必要であるとする報告書「バイオ燃料の賢明な選択」(Smart Choices for Biofuels)を発表した。
2008年の米国のバイオ燃料生産は90億ガロンを超え、大部分がトウモロコシを原料とするエタノールであった。米国では、2022年までに年間360億ガロンのバイオ燃料利用を目指すことが定められており、国内の生産量も2005年から2倍以上になっている。報告書では、このような急激な増加に伴う問題点を取り上げている。
さらに、バイオ燃料を環境的、社会的にもっと持続可能なものにし、また、運輸部門への利用で温暖化対策に貢献するための道筋も示している。例えば、スイッチグラスなどのセルロース系原料への移行促進、排出量削減と土壌劣化防止のため効率のよい農業方法を導入することなどを提案している。
そして最後に、次の4つの政策カテゴリーにおいて、具体的な政策提案を行っている。
・ 持続可能性基準の作成
・ バイオ燃料生産と新技術の促進
・ バイオ燃料を通じたグリーン雇用の創出
・ エネルギー部門全体としての政策の一貫性
http://daily-ondanka.com/news/2009/20090301_1.html?rf=rss
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